大腸の病気は、「大腸ポリープ」、「大腸がん」、「潰瘍性大腸炎」、「クローン病」、「虚血性腸炎」、「大腸憩室症」など様々なものがありますが、大腸内視鏡検査は、特に大腸がんの早期発見に威力を発揮します。

大腸とは

「大腸」とは長さがおおよそ2メートルある腸です。大腸では、小腸で消化吸収された残りのものを、水分を吸収しつつ大便に変えていきます。

最近では食生活の欧米化に伴い、日本で大腸がんが増えています。日本人の場合「S状結腸」や「直腸」に大腸がんができやすい傾向があります。大腸がんにかかる人の数は、50歳代前後から増加していくので、40代になったら大腸がんの検査をしましょう。
がんは早期発見・早期治療が重要です。また、がんになる前の「ポリープ」のうちに切除してしまうことが大切ですので、大腸内視鏡検査はとても有効な検査であるとえます。

 

大腸内視鏡検査で発見される病気(代表的なもの)

大腸ポリープ

「大腸ポリープ」は、大腸の粘膜にイボ状の盛り上がりができたもののことをいいます。 大腸ポリープ自体は良性の病気ですが、大腸がんのなかには良性のポリープからがん化するものもあります。そのため、ポリープが発見された場合には、良性のうちに、早期に切除しておくことが大切となります。大腸内視鏡検査では、検査しながら、ポリープを見つけ、その場で切除できるというメリットがあります。

大腸がん

「大腸がん」は、日本人のがんによる死亡原因の上位となっています。便に潜む血液(便潜血)検査で異常を指摘された場合、痔などの場合もありますが、大腸がんが発見されることもあるので、大腸内視鏡検査を受けておいた方が良いといえます。また、便に潜む血液(便潜血)検査で発見されない大腸がんもあることから、定期的に内視鏡検査を受けることが、早期発見に結びつく有効な方法であるといえます。

潰瘍性大腸炎

「潰瘍性大腸炎」は、消化管に炎症をおこし、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる病気で、原因はわかっていません。
薬を用いた内科的な治療となります。

クローン病

「クローン病」は、炎症によって腸に潰瘍ができる病気で、腸だけでなく、口・食道・胃など、消化管全てに症状がでたりもします。原因はわかっていません。
薬を用いた内科的な治療をとなります。

虚血性腸炎

「虚血性腸炎」は、大腸への血液の循環が悪くなることで腸が必要とする酸素や栄養分が供給されなくなり炎症や潰瘍を生じる病気です。
原因としては動脈硬化があるところに便秘などが重なって発症するとされています。

大腸憩室症

「大腸憩室症」は、大腸粘膜の一部が、腸管内圧の上昇により嚢状になり、腸壁の外に突出したものが多発した状態を大腸憩室症といい、高齢者に多い病気です。
原因としては食生活の欧米化により、食物繊維の摂取量が減少したため、便秘等になりやすくなり、結果腸管内圧の上昇を起こしやすくなったためとされています。